【第1回】 間違った選択をしないためにも統計学を [ボートレース×統計学]
人は一日に3万5000回もの「選択」を繰り返しているそうです。
もし、それが本当なら、一日のうちに私はどれだけ正しい選択をできているのか、不安になってしまいます。
すべて正解を選ぶことは不可能だとしても、ひとつでも多くの正解を選んでいれば、私の人生はもっと違ったものになっていたのではないか──そんな風にも考えてしまいます。
ここでは「ボートレース×統計学」と題して、私たちが愛してやまないボートレースに統計学という学問を組み込むことで、間違った選択を減らす方法を探ります。
もっと噛み砕いていえば、ボートレースの予想で正しい選択を増やし、的中率を改善する方法を模索したいと考えています。
統計学って本当に難しいの?
「統計学」と聞くと難しいイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
数字や複雑な公式が頭に浮かび、少し構えてしまう方もいるかもしれません。
実際、現在の統計学は、もともと別々に研究されていた複数の流派が統合されたものだといわれています。
その中のひとつには、「ギャンブルを攻略したい」という、私たちと同じような思いを抱えた人々が発展させたものも含まれているのです。
私が統計学の勉強を始めた理由は曖昧ですが、もしかするとこうした昔の学者さんたちと同じ匂いを感じ取ったからかもしれません。
彼らが残した知識を活かさない手はない──そんな思いから、私はボートレースに統計学を応用する試みを始めました。
統計学で予想の“間違い”を減らそう
まず、誤解していただきたくないのは、統計学は「ボートレースを的中させる」ためだけの学問ではないということです。
それと同時に、統計学は「決して断定しない」という性質を持つ点も忘れないでください。
この辺りのニュアンスについては、本来なら誤解を招かないように丁寧に説明すべきところかもしれません。
ただ、話が難しくなり、かえって混乱を招く可能性があるため、ここではあえて深入りしません。「このような傾向がある」といった程度に捉えておいていただければと思います。
統計学を愛してやまない私ですが、こうした認識を忘れないようにしています。
統計学はあくまで、間違った選択を少しでも減らすための手法であり、その限界を理解して活用することが重要です。
ボートレース予想においても、多くの悩みが生じます。しかし、過去のデータを活用して「正解」といえる選択肢を増やし、結果として的中率を上げることは可能です。
もちろん、ひとつひとつの分析結果が劇的な変化をもたらすわけではありません。ただ、その小さな知識を積み重ねることで、結果が少しずつ現れます。
この場を通じて、私が得た知識や経験を皆さんと共有できればと思います。そして、ボートレースの楽しみ方を広げるお手伝いができれば幸いです。
統計学でできること: ボートレースびわこの事例から
数年前、ボートレースびわこではターンマークの位置が移動しました。
当時の私は統計学を学んでいたものの、それをどう活かすべきか分からずにいました。
しかし、この出来事をきっかけに何かが閃き、それ以降、今まで学んできたことが次々と結びついていったのです。
ボートレースに興味がある方が関心を持つであろう点は、「ターンマークの移動で1コースの勝率がどう変わったのか?」という点でしょう。
具体的な検証結果には触れませんが、統計学をボートレースにどう活かすか、その考え方を少し紹介します。
データをどう見る? 比較方法とその基準
「ターンマーク移動後、1コースの勝率がどう変わったのか?」という考え方には、二通りの視点があります。
1つ目は「過去のびわこ全体データと移動後のデータを比較する」というもの。
具体的には、移動後の1コース勝率を含むボートレースびわこの全レースデータと比べる考え方です。
これを統計学では「一標本──」「一群(いちぐん)の──」といいます。
2つ目は「ターンマーク移動前後を分けて、その勝率の差を比較する」というもの。この方法は「二標本──」や「二群(にぐん)の──」、「差の──」と呼ばれます。
コースごとの成績バランスを比べる方法も
さらに別の考え方もあります。
例えば、1コースが強くなったと結論づけた場合、ほかのコースの成績はどうなったのかも気になるでしょう。
このとき、2コースから6コースまで同じ検証を繰り返して、それぞれの勝率の変化を上の手法で調べる方法があります。
また、統計学には「全体のバランスの変化」を一括して見る手法もあります。
ターンマーク移動後の各コースの1着回数を数え、そこからバランスの変化を比較する方法です。
この考え方も、一標本や二標本の比較と同様に使い分けが可能です。私は特に一標本のバランスを見る手法をよく利用しています。
統計学で新しい視点を手に入れよう
今回は統計学がどのようなもので、どう活用できるかを伝えることを目指して書いてみました。
もし、何か面白い検証をしてみたくなったら、ぜひ統計学を試してみてください。そして、どのような検証を行ったか教えていただけると嬉しいです。