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今さら聞けない、ボートレースの期待値

今さら聞けない、ボートレースの期待値

ボートレース攻略を目指して情報を集めていると、「期待値」という言葉に必ず出会います。

ギャンブル好きの多くの方はすでにご存じかと思いますが、なかには“なんとなく雰囲気”や“言葉の強さ”を頼りに使っている方も、正直いらっしゃいます。

私自身は、親から「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と教わって育ったので、分からないことを人に聞くのはそれほど恥ずかしいとは思いません。

とはいえ、大人になってから誰かに何かを尋ねるのって、やっぱり少し気が引けますよね。

そこで今回は、改めて“ボートレースにおける期待値”について一緒に考えてみましょう。

ボートレースにおける「期待値」とは

まず、「期待値」とは何でしょうか。Wikipediaを参照すると、一行目にこうあります。

確率論における期待値は、確率変数を含む関数の実現値に確率の重みをつけた加重平均である。

Wikipedia

──正直、ちょっと意味が分かんないですよね。

そして、期待値を学ぶためにネットで調べてみると、サイコロを使った例がよく出てきます。

たしかに分かりやすい例かもしれませんが、今回はあえてサイコロには触れず最初から“ボートレースの期待値”について考えてみましょう。

期待値という言葉に少し苦手意識がある方も、このまま最後まで読んでいただければ、「なるほど、そういうことか」と腑に落ちると思いますよ。

期待値の正体は“戻ってくるお金”

先に結論をいってしまうと、ボートレースにおける期待値とは、戻ってくる見込みのある金額のことです。つまり、期待値の単位は“円”なんです。

過去に、「期待値1を超える──」といった表現を見かけたことがありますが、これはおそらく「期待値が100円を超える」と言いたかったのだと思います。

また、ご自身が“期待する気持ちの度合い”を「期待値」と呼んでいる方も見かけます。

気持ちは分かりますが、それはちょっと危険です。言葉の意味がズレたまま広まってしまうと、考え方そのものがブレてしまうからです。

改めて整理すると、払戻額がどんな道をたどってどこに落ち着くのか──その“答え”が期待値なんです。

「人気」を例に期待値を考えてみよう

ここからは、3連単の「人気」を例に、期待値の仕組みをもう少し深く見ていきましょう。

3連単の人気には、1番人気から120番人気まで、全部で120パターンあり、それぞれに“期待値”が存在します。

期待値は、確率と払戻額を掛け合わせて算出するというのが基本の考え方です。これに沿って、話を進めましょう。

たとえば、ある3年間のデータを見てみると、1番人気の出現率は10.5%、そして1番人気の払戻額の平均は727.4円です。

この2つを掛け算すると──期待値は76.5円になります。

つまり、100円を賭けたときに、平均して76.5円戻ってくる見込みがあるということになり、これが“期待値の正体”です。

すべての人気に“期待値”がある

もちろん、このように計算すれば、1番人気から120番人気まですべてに期待値が求められます。

「ギャンブルは期待値が高いところを狙うべきだ」──よく聞く言葉ですよね。この観点から考えれば、「どの人気帯に注目すべきか」というのも、舟券戦略のひとつだといえるでしょう。

ところで、こんな言葉を耳にしたことはありませんか?「高配当は高期待値だ」──と。

たしかに、ボートレースでは人気が下がるほど配当は高くなる傾向があります。ということは、「人気がないほど期待値が高くなるのでは?」と考えたくなりますよね。

気になる方は、ぜひ自分の手で計算してみてください。ボートレースの“もうひとつの顔”が見えてくるはずです。

ボートレース全体の期待値について考える

ここからは、ボートレース全体の期待値について考えてみましょう。

「全体の期待値」とは、先ほどの120パターンすべての期待値を合計したものです。

つまり、120通りすべてに100円ずつ賭け続けたとき、どれくらいのお金が戻ってくるのか──その平均値を意味します。

この計算を実際に行うと、結果は7,215.1円。これが「ボートレース全体の期待値」です。

言い換えると、「全-全-全」を買い続けた場合、平均して7,215円ほどが返ってくる、ということになります。

つまり、12,000円(120通り×100円)を購入しても──戻ってくるのは約7,000円。

ボートレースの厳しさが少しリアルに感じられますよね。

全体の期待値との意外な共通点

もうお気づきかもしれませんが、ボートレース全体の期待値は、過去3年間の全レースにおける平均払戻額と一致します。

また、先ほどの“期待値算出法”で計算しても、120通りに賭ければ必ず的中するので「100%×7,215.1円」となり、同じ金額になります。

補足しておくと、確率をすべて足し算すると100%になる──これは、期待値を知る上で大切なポイントなので、しっかりとおさえておきましょう。

それにしても、「ボートレースの平均払戻額が約7,000円」というのは少し意外かもしれませんね。

レースによって高配当も出るとはいえ、平均でこれほど高い数字になるのは、意外に感じる方も多いと思います。

ボートレースの回収率は最終的に75%になるのか

「ボートレースは買い続けると回収率が75%に近づく」──そんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

もしそれが本当なら、先ほどのように全レースに全通り賭け続けた場合も、回収率は75%に近い数字になるはずです。

では、実際に試してみましょう──といきたいところですが、払戻額の桁が非常に多くなってしまうので正解だけをお伝えすると、同じデータで回収率は60.1%

つまり、75%を大きく下回る結果になっています。

ボートレース好きの方なら、その理由を考えてみるのも面白いと思いますよ。

ただし、これはあくまで“極論”です。もう少し、この75%という数字について考えてみましょう。

なぜ回収率は75%と言われるのか

「回収率が75%に近づく」という考え方は、私たちが目にするボートレースのオッズが、控除率25%を一律に差し引いた値で反映されていることに由来します。

ですが、先ほどのように120通りすべてに賭ける実験では、結果は60%台にとどまりました。買い方によっては75%より低くなることもある、というのが実際のところです。

逆にいえば、回収率が75%より高くなる買い方も理屈の上では存在するということ。

もし、長く続けて回収率が75%に近づくとするならば、“どの配当帯にもまんべんなく投票する”ようなスタイルを取った場合に、その値に近づく可能性はあるでしょう。

ただし、誰もが必ず75%に収束するわけではありません。

1点あたりの期待値を見てみよう

期待値の話に戻りましょう。

120通りすべてに賭けた場合の期待値は7,215.1円でしたね。この値を120で割ると、1点あたりの期待値が求められます。

計算すると、その値は60.1円になります。──どこかで見たような数字だと思われた方も多いでしょう。

そうです。これは先ほどの「全体の回収率60.1%」に100円を掛け算した値と一致するんです。

たとえば、最初に挙げた3連単の1番人気を買い続けた場合、その期待値は76.5円でした。これを100円で割り算すると、回収率は76.5%になります。

では、実際に計算してみましょう──といきたいところですが、ここでも払戻額の桁が多すぎるので、やめておきましょう。

期待値を知ると見えてくる世界

こうしてゆっくりとひも解いていくと、ボートレースにおける「期待値」という言葉の正体が、少し身近に感じられたのではないでしょうか。

期待値を理解することで、ボートレースはもっと楽しくなります。

このお話が、皆さんのボートレースライフに少しでも役立てば嬉しいです。